アンケート調査や市場調査の考え方
仕事柄、ネットや文献で市場規模や意識調査、利用動向などのデータを調べたり、リサーチ会社に発注してデータを取ることもあります。
この類のアンケート調査や市場調査についてぼくが考えていることが4つあります。
1)“検証”の道具として利用する。
自分のアタマの中で考えた仮説や想定、正しいと思うことが“ほんとうらしい”かどうかを確認するために使っています。
2)偶然か必然かを見極める。
残念ながら、今でも「データにこう出ているじゃないか。」とか「記事にこう書いてあるじゃないですか。」といった低次元の会合に出会ってしまうこともあります。データに出ているから何なんでしょうか?そのような結果が出ているのはなぜなんですか?と聞いてみると回答に窮してしまうという。。
コンビニのオーナーを例に。たとえば、先週の土日はシーチキンのおにぎりがたくさん売れた。だから、今週は土日に向けてシーチキンのおにぎりをたくさん発注しよう。ということで、実際に多めに発注してたくさん並べたら、ほとんど売れなかった。
なぜ、先週の土日にシーチキンがたくさん売れたのか?そこに理由が見出せなければ、それはただの偶然だと思います。理由は作るものではなく、見つけるものだと思います。
3)アンケートに答えるという時点で“回答者の属性”ができている。
ぼくはこのようなアンケートに普段からあまり、積極的に答えたがりません。もともと自分の意見や考え方を自ら積極的に発信したり、みんなと共有したいというふうにあまり考えない性質です。そのアンケート自体の性格にもよると思うのですが、「アンケートに答える人=積極的、社交的な人」という仮説は無理があるでしょうか?たとえば、インセンティブ(謝礼がもらえる、など)と引き換えにグループインタビューに参加するような人はより社交的で好奇心旺盛な人ではないか?そんな気がしています。
4)基本的にあまり信用していない。
千葉県の人口は何人いるのか?といったファクトベース、デモグラフィック的なものはある程度「鵜呑み」にしてもよいのかなという気がしていますが、心理的(サイコグラフィック)なものについてはどうなんでしょうか。本人が「本当に今、考えていること」と「アンケートに答えたこと」との間にはとてつもなく大きな壁があるような気がしています。
自分が正しいと思うこと、主観を最優先にして仕事をしていこうというふうに
考える今日この頃です。当たり前のことだと思うのですが、昔と比べるとずいぶんと
妥協ラインを低く下げている自分への戒めとして。