コンセプトの本質
広告業界にいるとよく遭遇するコトバ。
“コンセプト”
コンセプトを設定する目的はただひとつ。
それは、「インナーの共通理解を図るため」
これに尽きる。
ユーザーに対して作るものではない。
なぜなら、ユーザーはコンセプトに興味なんてないからだ。
言い換えれば、ユーザーはコンセプトが存在することを前提にモノやサービスに対峙しているわけではない。
この料理のコンセプトはなんだろう?
この電車のコンセプトはなんだろう?
この建物のコンセプトはなんだろう?
・・・
そんなふうに考えている人は日本中を探しても4人ぐらいしか
いないんじゃないかと思う。
ユーザーが興味があるのは目の前にあるもの、出されたものが
良いか悪いか。それだけだ。コンセプトに興味があるわけではない。
もっと具体的で、可視化できて、言語化が可能なものにこそ興味がある。
よって、インナー同士で「それいいね!」と決定したコンセプトも、カタチにできなければ、意味がないということだ。
おそらくコンセプトとしてよいものは、
人間の感情として発動する単純なものが良いと思う。
「かわいいものをつくる。」
「かっこいいと思わせる。」
「ワクワクさせる。」
このあたりは非常に明快で、インナーが意思統一が図りやすいと思う。
また、よく会議の中で意思統一が図りにくく、わかりにくくするのが、
コンセプトの種類だと思う。
全体コンセプト
プロモーションコンセプト
コミュニケーションコンセプト
ショップコンセプト
戦略コンセプト
演出コンセプト
この中では「全体コンセプト」は、あいまいだと思う。
「全体」というのは何を指しているのか?
コンセプトにも種類や領域があると思う。
「コンセプト決めようよ。」となったら、
「何のコンセプトを決めるのか?」についてあらかじめ明確にしておいたほうが
先々の作業ロスを最小限に食い止めることができるのではないかと思う。
ユーザーはコンセプトを自ら読み取ろうとは思っていない。
ユーザーに何かを読み取って欲しいのであれば、
開発すべきは「コンセプト」ではなく「メッセージ」ではないかと思う。